根管治療が「難しい」といわれる理由
保険診療の根管治療は制約が多く、再治療が必要となるケースが比較的多いといわれています。その難しさには、おもに以下の理由が挙げられます。
- ・根管の直径は1mmにも満たないほど細く、カーブや複雑な枝分かれしたりしている
- ・治療する場所は歯の奥深くにあり、肉眼で見ることが困難
- ・根管は非常にデリケートで、器具の操作を誤ると傷つけてしまう可能性がある
- ・根管内に汚れが残っていると、再発する原因となる
こうした理由から、根管治療は歯科治療の中でも特に高度な技術が求められます。
当院が選ばれる理由
当院は、長野県上田市で唯一、日本歯内療法学会の認定研修施設です。認定研修施設となるには、同学会の指導医が1名以上常勤し、学会が定める基準をクリアしていることが条件で、全国に数多くある歯科医院の中でわずか34施設(2025年4月時点)しかありません。
当院の院長は日本歯内療法学会 指導医・専門医であり、根管治療を専門としています。他院で「抜歯するしかない」と診断された場合も、一度当院へご相談ください。
成功率を高めるための器具と技術
根管治療は多くの歯科医院で受けることができますが、その治療の精度は医院の設備や技術によって大きく左右されるのが現状です。
当院では、マイクロスコープやラバーダムといった先進的な設備・技術を導入することで、難しい症例に対しても高い成功率をめざしています。
マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)
患部を肉眼の最大20倍以上にまで拡大できる歯科用の顕微鏡です。歯の根っこの中までしっかり診ながら的確に治療を行えるので、細菌の取り残しを抑え、歯を削る量も少なくてすみます。
ラバーダム
唾液に含まれる細菌が治療中の根管内に侵入すると、十分に殺菌・消毒を行うことができません。そこでラバーダムという薄いゴム製のシートで口を覆い、治療する歯だけを露出して根管治療を行います。
MTAセメント
優れた殺菌作用と封鎖性を持つ充填剤です。
治療後の根管内をこのMTAセメントで密閉することで、細菌が再繁殖するのを防ぎ、再発リスクの低減にもつながります。ただし非常に高価で、導入している歯科医院はまだ限られています。
ファイバーコア
根管治療を終えた歯はもろくなっているので、被せ物をする前に「土台(コア)」を入れて強化する必要があります。ファイバーコアは、グラスファイバーを用いたしなやかな土台です。天然の歯に近い硬さと弾力性を持っているので、硬い金属の土台と比べて歯の根が割れてしまう「歯根破折」のリスクを減らすことができます。また、白く透明感があるので、セラミックなどの被せ物の自然な色合いを損なうことがなく、金属アレルギーの心配もありません。
感染した組織の除去
初回の治療では、歯の内部(根管)にある神経や、むし歯菌に感染した組織を、専用の器具(リーマーやファイル)を使い、根管を拡大しながら感染源を除去していきます。
ニッケルチタンファイルの特徴
当院では、根管内の清掃の際に、柔軟性の高いニッケルチタン製のファイルを使用します。ステンレス製の器具では届かなかった、複雑に曲がりくねった根管の先端までアプローチできるため、感染組織の取り残しを減らすことにつながります。また、電動で効率的に処置できるので、治療時間を短縮できることもメリットです。
根管内の清掃と消毒
感染した組織を除去したら、薬剤を用いて根管内を洗浄します。細菌がわずかでも残っていると、再感染のリスクがあるので、丁寧な処置が必要です。
当院では、「次亜塩素酸ナトリウム」と「EDTA溶液」という薬剤を使用しています。
次亜塩素酸ナトリウム:根管内の細菌を殺菌・消毒する目的で使用します。
EDTA溶液:根管内に残った無機物(象牙質のかけらなど)を溶かすために使用します。
洗浄薬が根管のすみずみまで行きわたるように、専用機器を使用して薬液を約30〜60秒間にわたり攪拌します。薬剤を交換しながら洗浄を繰り返すことで、根管内を無菌状態に近づけます。
根管充填
洗浄・消毒を終えたら、根管内に空洞ができないように専用の充填材(樹脂やセメント)で密封し、根管治療は完了です。
治療後の経過観察
治療後は、一時的に痛みが生じることがありますが、ほとんどの場合は数日〜2週間程度で治まります。ただし、痛みが長く続く場合や、症状が悪化した場合は、すぐに歯科医師にご相談ください。
歯科医院での定期検診・クリーニング
クリーニングでは、歯磨きで取りきれなかった歯垢・歯石などを除去するほか、レントゲン撮影などで歯の根っこの状態に異常がないかを経過観察します。また、治療した歯は健康な歯に比べてデリケートですので、特定の歯に強い力がかからないよう、かみ合わせのバランスを整えることも大切です。